今村と福来の熊本出張透視実験
どんな伝承か
福来友吉の『透視と念写』によれば、御船千鶴子との郵便による実験の後、明治四十三年二月下旬に京都大学の今村新吉が熊本へ出向いて実験し、四月上旬には今村と福来がそろって熊本で共同の実験を行った。二人の共同実験は同じ年の九月に京都でも行われている。福来は熊本から東京へ戻ると、四月二十五日の夕方に大学集会所で心理学特別会を開き、熊本出張中の実験の成果を報告した。会場には大津・片山・長岡・元良ら多くの博士をはじめ、およそ八十人が集まった。福来はのちに、自分と今村こそ日本の心霊研究の元祖だと述べている。
原典より
福来は、今村との共同実験を済ませて熊本から帰京すると、研究成果を諸学者居ならぶ前で発表した。—— 新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、クルックスらの実験研究、マルクス主義からの攻撃、SPRとASPR、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。