御船千鶴子の透視が見出されるまで
どんな伝承か
御船千鶴子は熊本の女性で、福来友吉が最初に研究した透視能力者である。福来がその力を初めて耳にしたのは明治四十二年の春、熊本高等工業学校に勤めていた友人の高橋正熊からの手紙によってだった。福来は以前、催眠中に目をハンカチで何重にも覆われながら名刺を読んだ人を見たことがあり、千鶴子もその延長だろうと考え、さほど驚かなかった。ところが同年五月、熊本の済々黌の校長井芹経平が上京の折にわざわざ福来を訪ね、千鶴子のことを語って研究を勧めた。高橋五郎は、千鶴子の力を最初に認めて実験し、東京の学者に紹介したのは高橋正熊だと書いている。
原典より
御船千鶴子は熊本の人だが、この婦人との出合いについて福来は言う。—— 新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、クルックスらの実験研究、マルクス主義からの攻撃、SPRとASPR、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。