木の股地蔵と幟を立てぬ男鹿岳落城
どんな伝承か
むかし安倍兄弟が栗生沢の南にある男鹿岳に立て籠った際、源義家がこれを攻めて破った。安倍兄弟は日ごろ尊崇する地蔵尊を背負い、那須郡の板室方面へ落ち行く途中で、これを山中の大木の股に挟んで逃げのびた。いまに土地の人々はこれを木の股地蔵といって信仰している。なお男鹿岳落城の日は旧暦五月の節供であったのに山川が大いに荒れたことから、いまも五月節供には幟旗を立てない。また城跡には南天の大木と桐の古木があるというけれども、その場に近づく時は消えてなくなってしまうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史・自治体史(民俗))
『田島町史 第4巻(民俗篇)』第二節所収の伝説。福島県田島町(南会津)に伝わる自然・歴史・神仏・池淵・幽霊・妖怪の伝説を採録する。