屋根で日なたぼっこする大原のクダ
どんな伝承か
木曽谷も伊那谷と並んでクダの多い地方である。西筑摩郡の美濃境、木曽の御嶽の裾にある新開村字大原では、四十戸のうち五、六戸がクダを飼う家とされる。この辺りでは御嶽講の盛んな所ほど多く、講社の中に限られるかと思えるほどだという。正体は子猫くらいの大きさで、寒い冬などに、日当たりのよい南向きの屋根の上に並んで日なたぼっこをしているのをよく見かけたと語られている。
原典より
正体はやはり子猫くらいの大きさで、冬の寒い頃など、南向きの日当りのよい屋根の上に並んで日なたぼっこをしている様子を見かけることがよくあったという(郷土研究一の七、窪田空穂氏稿)。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。