潮田町の杭と烏(世間話)
どんな伝承か
鶴見の潮田町一帯がまだ芦の原であった頃、波打際に黒いものが見えた。通りすがった二人のうちの一人が「あれは何だ」と聞くと、もう一人が「杭だ」というので、先の一人は「烏だ」といった。そこでお互いに言い争い、「じゃ、石を投げてみよう」といって石を投げると、黒いものはばたばたと飛びたった。勝った方は「それみろ、烏じゃないか」というと、負けた方はなお、飛んでも杭だと言い張ったという。それで今でも、強情な人を飛んでもな人といっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(神奈川県(県史講座)・神奈川県の歴史・民俗講座)
『神奈川県の歴史 県史講座要録 第6(県下の民俗篇)』所収の伝説と昔話。神奈川県の伝説を、柳田国男の研究を踏まえて論じる。