父の血を吸う大蛇とタバコの火
どんな伝承か
いつの頃か、きこりの親子が住んでいた。菅原に出て休んでいると一匹の兎が飛び出したので、息子は夢中で追いかけたが見失い、元の場所へ戻った。すると父親が胸をはだけて苦しんでおり、心臓から血の糸が空へ向かって伸び、その先で一匹の真っ黒な大蛇がこちらを見ていた。息子が急いで刻みたばこに火をつけて投げつけると、蛇は血を吸うのをやめ、草をかき分けて姿を消したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。