山崩れに押しつぶされた祈禱師の庵
どんな伝承か
いまの県民の森の手前、四十八瀬川に落ちる滝を黒竜さんの滝と呼んだ。明治の初め頃、この滝のそばに黒竜さんという祈禱師の庵があり、山奥にもかかわらず大いに繁盛して、大山や道了尊の参詣にも影響が出るほどだと噂された。大山と張り合うほどの人気で、大山同様に女人禁制とされていたが、黒竜さんのもとには女が一人いたともいう。ある嵐の夜、山が崩れて庵は一気に押しつぶされ、その後は火で焼かれたようになったと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。