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避病棟の廊下に浮かぶ二つの顔

所在地青森県つがる市木造
年代現代
登場—
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

西郡木造町に古びた小さな病院があった。院長は頑なな老人で、胸を病んで長く寝たきりの二人の娘を一室に閉じこめたまま、手当てもしてやらなかった。娘たちは前途をはかなんで毒薬を飲んで自殺した。院長も間もなく病院を売り払い、木造町から姿を消した。買い取って開業した医師のもとは繁盛したが、看護婦がなぜか居つかない。訳を尋ね歩くと、病院に幽霊が出るというのである。ある夜、医師が庭を挟んだ避病棟へ廊下を渡ると、耳もとで苦しげな吐息を感じ、闇の中に髪を振り乱したやせこけた女の顔が二つ、はっきり浮かび上がった。医師は祈禱師を呼んで霊を弔った。その廊下の曲がり角は、娘たちが押しこめられていた部屋であったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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# 殺された人からの呼びかけ祈禱師

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