善無畏三蔵を運んだ亀のグーズ岩
どんな伝承か
若杉山の楽園と上宮の間に、亀の形をしたグーズ(ゴーズ)岩という大岩がある。聖武天皇のころ、天竺の密教の祖の一人である善無畏三蔵が教えを伝えに日本へ向かう途中、大嵐に遭った。三蔵は若杉山頂の岩屋に祀られた八大龍王に、無事に筑紫へ着けば必ずお礼の祭りをすると祈り、船は幾日かのち博多に着いた。疲れ果てて立つのもやっとだったが、祭りを果たそうと山へ向かうと、どこからか大きな亀が現れ、甲羅に乗れというしぐさをした。亀は三蔵を乗せて八合目ほどまで登ると動かなくなり、三蔵は礼を言って山頂で祭りを行った。亀はそのまま岩になったといい、頂には三蔵塔の堂が建つ。
原典より
やがて山の八合目ぐらいまで登ると、グーズは止って動かなくなりました。—— 篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異(篠栗町(編)・篠栗町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異(篠栗町(編)・篠栗町誌)
『篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異』は、筑前の篠栗町の町誌民俗編から伝説の章を収めた部分である。鉾立山の玉依姫、若杉山の岩にまつわる弘法大師や鬼の伝承、薬師・地蔵・観音の霊験、平家岩や古井戸の言い伝えを番号つきの項で並べ、『筑前国続風土記』などの地誌や説明板の文を引く。後半では狐に化かされた話や狐憑き、狸の法座、巷の笑い話、若杉山の白蛇と杵蛇、河童の話を、古老の語りを交えて記す。