千鶴姫が隠れたという平家岩
どんな伝承か
『筑前国続風土記』は、木戸畑の背後にある天然の岩屋を平家岩と呼び、昔平家の落人が来て隠れ住んだのでこの名があると記しながら、こじつけだろうと退けている。そこには屏風に似た二つの屏風岩や虹が滝という小さな滝があり、洞の中をくぐり抜ける所もある奇勝だという。一方で別の古文書には、安徳天皇の妹で三歳の千鶴姫が平家の家人氏尾蔵人に連れられ、篠栗の平家谷に隠れたと記されている。平家岩は城戸区の南蔵院の奥、木々の茂る深い谷に岩屋のまま残り、虹が滝は今は不動が滝と呼ばれて篠栗新四国第四十五番の札所となっている。
原典より
平家岩は城戸区南蔵院の奥にあり、樹木うっそうと繁る幽谷で岩窟もそのまま保存され、虹が滝は現在不動が滝と称し、篠栗新四国第四十五番(本尊不動明王)の札所が安置されています。—— 篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異(篠栗町(編)・篠栗町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異(篠栗町(編)・篠栗町誌)
『篠栗町誌 民俗編――伝説・怪異』は、筑前の篠栗町の町誌民俗編から伝説の章を収めた部分である。鉾立山の玉依姫、若杉山の岩にまつわる弘法大師や鬼の伝承、薬師・地蔵・観音の霊験、平家岩や古井戸の言い伝えを番号つきの項で並べ、『筑前国続風土記』などの地誌や説明板の文を引く。後半では狐に化かされた話や狐憑き、狸の法座、巷の笑い話、若杉山の白蛇と杵蛇、河童の話を、古老の語りを交えて記す。