疫病を鎮めたお柳さま
どんな伝承か
亀山天皇の文永年間、木曽川と飛騨川が合わさる川合の里で疫病がはやり、人々はひどく苦しんだ。下古井の天王社は災難や疫病に霊験があるとされていたので、住民はこの社に詣で、小さな柳の木を神霊の依り代として懸命に祈った。すると、あれほどの疫病も数日のうちに治まったという。天王社はのちに中富神社となり、いまは古井神社となっている。その柳は「オヤナギサマ」として、古井神社の境内に祀られている。
原典より
下古井の天王社は災難・疫病に霊験があると伝えられていたので、住民はこの社にもうで、小さなヤナギの木を神霊のよりましとして一心に祈願したところ、さしもの疫病も数日にして平癒したという。—— 美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史)
『美濃加茂市史 民俗編――伝説』は、美濃加茂市の市史民俗編のうち、第一三章「俗信」と、第一四章「伝説 昔話 世間話」の総説および第二節「伝説」を収めたものである。天候・農事・人事にかかわることわざと俗信、民間療法、樹木の禁忌を挙げたうえで、伊深・蜂屋・太田・三和など市内各地区に伝わる三度栗、龍宮さまの淵、火塚、山男、かぶと淵などの伝説六十四話を記す。昔話・世間話の節は含まず、伝説の多くは題に伝承地区の名を添える。