大蛇が変えられた竜のへばり石
どんな伝承か
北移字土樋に「竜のへばり石」と呼ばれる石がある。昔、根岸の小泉大学という者が、北移の若宮地内から黄金の八幡様の御神体を牛に乗せ、移川をさかのぼった。御神体の重みで川の石に牛の足跡がつき、現在も残っているという。土樋まで来ると川の淵から大蛇が出て、雲を起こし雨を呼んで御神体を上へ通そうとしなかったので、神は大変怒って大蛇を石に変えてしまった。それが竜のへばり石であるという。御神体は上移の八幡神社として鎮座し、その日が旧八月十五日であったので、当社の祭りも旧八月十五日になったと伝える。
原典より
北移字土樋に「竜のへばり石」というのがある。—— 船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史)
『船引町史 民俗編――昔話と伝説』は、船引町が編んだ町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。昭和五十三年春から町内を回って集めた昔話を話者の名を添えて土地の言葉のまま載せ、坂上田村麻呂や安倍貞任にまつわる地名・社寺の由来など町内の伝説を併せて記す。第一節では語り収めの句、葉煙草ののし作業を語りの座とした伝承の環境、語り手の系譜を論じ、第二節では伝説を自然・歴史・宗教の三つに分けて紹介する。