生きながら埋もれた和尚の五輪塔
どんな伝承か
田村郡船引町の大字上移字馬込に、五輪和尚の碑という五輪塔がある。昔、一人の和尚が通りかかったが、年老いて京に行くことができなくなった。そこで僧はこの地で果てることを決心し、村人に墓を掘ってくれるよう頼んだ。穴が掘られると和尚は水と干柿一連、黄金十枚、手には金の独鈷と念仏の鐘を持って棺に入り、その棺を穴に埋めてもらった。息つぎの青竹だけを残して土をかけ終えると、土の中から読経の声と鐘の音がかすかに聞こえた。村人は毎日青竹をたたいて確かめたが、四十九日を過ぎた五十日目の朝には全く聞こえなくなり、その霊を供養して五輪塔を建てたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史・自治体史(民俗))
『船引町史 民俗編』第十一章所収の昔話と伝説。福島県船引町(現田村市)に伝わる口承を採録する。