穏田の屋敷に構えた行者飯野吉三郎
どんな伝承か
飯野吉三郎は美濃岩村藩士の子で、十八歳で上京し、居候をしながら夜学に通った。十九歳で私立小学校の教師となったが一年ほどで辞め、飛騨の山中に籠って行者に従い、加持祈禱も火渡りも身につけたという。易も学び、麹町平川町に居を構えたころには平川町の神様と呼ばれた。やがて青山穏田の邸宅を買い取り、三千坪の敷地に総檜造りの屋敷を構える。ここには山県有朋や後藤新平ら政財界の人物が神詣でに通い、宮廷女官の下田歌子も出入りしたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語・昭和(民俗))
関敬吾編『日本人物語5―秘められた世界』。日本の生活文化に潜む秘密・境界・異界・怪異を主題別に集成する。