夜泣きを治す真野池の草
どんな伝承か
吉田町上入江の八広に、真野池という池がある。広さは一畝あまりで、今は水草が一面に茂る湿地になっており、僧自休が白菊のために施餓鬼を行った所と伝えられる。そこから少し離れた所に三尺に六尺ほどの水たまりがあり、名も分からない草が生えている。この草を寝床の下に入れておくと子どもの夜泣きが治るといって、摘んで帰る人が多い。土地の人はまんのう池とも呼び、江戸期の芸藩通志も、この池に珍しい草が生え、幼子の夜泣きを止めると書き留めている。
原典より
これを寝床の下に入れておくと子供の夜泣が治るといって採取して帰る人が多い。—— 高田郡史 民俗編――伝説(高田郡(編)・高田郡史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高田郡史 民俗編――伝説(高田郡(編)・高田郡史)
『高田郡史 民俗編――伝説』は、広島県高田郡の郡史の民俗編のうち、伝説の部である。吉田町・美土里町・甲田町・八千代町・高宮町・白木町などに伝わる八岐大蛇退治、毛利元就の百万一心、弘法大師のいろは石、つきものを落とすというはりいぶきの枯木などの話を、土地ごとに取り上げる。多くの話に、かつて村々から提出された「国郡志下調書出帳」の該当記事を原文のまま並べ、古い記録と今の語りとを照らし合わせている。