棺桶と化け母で庄松をだました狐
どんな伝承か
庄松は毎日山で木を伐り、夕暮れ遅くに帰る途中、ときどき狐にからかわれた。ある夜、見知らぬ男に棺桶を村はずれまで運んでくれと頼まれ、背負って山を下りると、棺の中から死人の生首が肩にもたれかかり、歩くたびに左右に揺れた。気味悪さに耐えてふもとまで来ると草むらに投げ捨てて逃げ帰ったが、翌日見るとそこには丸太が転がっていた。別の夜、馬を引いて帰ると母親が迎えに来たので、狐と見抜いた庄松は馬に乗せて縄で縛りつけ、小便がしたいと頼まれても下ろさなかった。家に着くと本物の母が出迎えたので、化けた母を庭木に縛って杉葉でいぶすと、狐はもう人をだまさないと詫びたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。