ばあさんに化けた狐のおわびの宝
どんな伝承か
昔、水落の村に老夫婦がいて、じいさんは毎日馬を引いて働きに出ていた。ある日、上野ヶ原を通って家路を急いでいると、遅いので迎えに来たと言ってばあさんが現れた。一緒に帰ったが家の近くでばあさんは急に見えなくなり、家では本物のばあさんが待っていた。翌日もその次の日も同じことが続いたので、じいさんは迎えのばあさんを馬に乗せ、縄でしっかり縛って帰った。家が近づくとばあさんはもがいたが逃げられず、とうとう狐の正体を現した。じいさんは殺そうとしたが、狐がひたすら詫びるので許すと、狐はおわびに立派な宝物を置いていき、老夫婦の暮らしは楽になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。