祝言より良い声で歌った猫
どんな伝承か
隣の家で嫁もらいの盛大な祝言があり、家の者が皆手伝いに行って、アネが一人残された。すると猫が来て、みな手伝いに行って寂しくないかと言い、いい歌を聞かせるから誰にも喋るなと念を押して、たいそういい声で歌をうたった。その声は隣の祝言よりも良く、隣まで聞こえた。家の者が戻って、誰がいい歌をうたっていたのかと尋ねると、アネはつい、あれは猫だと答えた。マギの上で見ていた猫はどんと下りて喉に爪を立て、アネを殺してしまったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。