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壺という女が引いた坪の碑

所在地青森県上北郡東北町字千曳(千曳明神)
年代伝承(口承)
登場壺
出典日本伝説大系 第1巻

どんな伝承か

むかしこのあたりに碑があり、たいそう大きな石であった。いつの頃であったか、その辺りを田畑などにしようとしたが邪魔なので、その石文を引き退けようとした。多くの人が集まって引いたけれども、石はいっこうに動かなかった。ところが、そのあたりに壺という女がいて、この女が一人で引いたところ、まことに心よく思うままに引かれたという。そのような奇しいことがあったので、石を土中に埋め、その上に宮を建てて神として祀り、千曳明神と申すのだと伝えられている。また、碑を立てようとしたときに大きな石を多くの人で引かせても動かなかったのを、壺という女が引いたのだともいう。

原典より

むかしこのあたりに碑ありいと大なる石なりしをいつの頃に有けんその辺を田畑なとにせんとにや便あし、とてかの石文を引退とするに多くの人ものしけれともかの石ふみ動くへきやろもあらねしかるに其あたりに壺と云ふ女有てこの女一人にて…—— 日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。

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