姥杉の瘤を切って倒れた九太郎オド
どんな伝承か
今から五十年ほど前のこと、左の顎に瘤のある九太郎オドという、村ではあまりよく思われていないひねくれ者の爺さんがいた。ある日、焼杉の瘤のほうがお前の瘤より格好がよいと言われて腹を立て、斧を担いで姥杉のところへ行き、瘤の一つを切り落とした。すると切り口から赤い血のような水がどくどくと流れ出した。驚いた九太郎オドは慌てて家に帰ったが、玄関の戸を開けようとした途端にばったり倒れ、そのまま息絶えたという。それ以来、瘤は一つしか残っていない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第1巻』所収の「文化叙事伝説」48話(北海道・青森)を収める。各話は伝承地を市町村〜字レベルまで明記し、例話・類話・文献を備える。