赤田の閑居様が守札で呼んだ雨
どんな伝承か
本荘の赤田が亀田領であったころ、赤田大仏殿長谷寺の名僧、是山和尚こと閑居様のもとへ亀田の代官が訪れ、今年はどこも雨が降らず干ばつで農民が困っている、なんとか雨を降らせる方法はないかと願い出た。閑居様はしばらく考えて、明日さっそく五峰の山へ来るよう申しつけた。翌日、山に登った代官に、今は川に淵もなく池に水もない時であるから、ただちに海へ出てこの守札を流せと命じた。代官は昼ごろ松ヶ崎の海岸に着き、舟三艘を出して守札を流した。三つめを流したとき海はたちまち大波となり、鳥海山に黒雲がかかって松ヶ崎沖へ押し寄せ、雷鳴とともに大雨が降りだしたという。
原典より
本荘市赤田が亀田領であった頃、赤田大仏殿長谷寺の名僧、是山和尚閑居様のところに、亀田の代官が「今年はどこも雨が降らず干ばつで農民が困っている。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。