奇岩と滝に囲まれた福来口
どんな伝承か
福来口は黒姫山の東西の谷あいの峡にあり、切り立った崖の中腹に大きな洞が口を開いている。洞口は楕円形で高さ十五間、幅四間ある。前には奇岩が段をなして立ち、洞から出る水がぶつかって、あるいは一条となり、あるいは幾条にも分かれ、懸泉となり滝となって落ちる。土地の人は、昔ここで奴奈川姫命が機を織り、洞から出る水に布をさらしたので布川と呼ぶと伝える。ただし寒い洞に住んだのではなく、一里ほど離れた媼が懐にいて、ときおりこのあたりに遊んだのだろうという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。