船窪の伝説が残る黒姫山
どんな伝承か
柏崎の黒姫山は米山の東南に連なり、西南は谷山へ続く。八谷山より高く米山より低い。猿が多く、山中の上条谷の奥には藤天蓼清水という名水がある。山の麓、岡野村から六町ほど山に入ると黒姫大明神の祠殿があり、鵜川はこの山中から流れ出る。毎年六月朔日には人々が登って香花を供え、嶺までの道のりは二里ある。頂には船窪という所があり、松尾明神が初めて臨んだ日に船をつないだ場所だと土地の人が語り伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。