朝見伊賀守が絹を染めた根古屋の井戸
どんな伝承か
根古屋にある武甲山御嶽神社の里宮の前に、古い井戸がある。昔、根古屋城にいた朝見伊賀守慶延がこの地方の絹織物づくりを奨励し、その染めにこの井戸の水を使ったと伝えられる。水の質が染色によほど向いていたのだろうとされる。当時の根古谷絹は品質の良さで広く知られ、絹の裏地を一般に根古屋と呼ぶようになったのもそのためだろうという。今日名高い秩父銘仙の先がけとなった絹織物にゆかりのある井戸として、現在も大切な遺跡と語られている。
原典より
根古屋の武甲山御嶽神社里宮前に古い井戸があります。—— 秩父の伝説と方言 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秩父の伝説と方言
『秩父の伝説と方言』は、秩父市教育長鶴沢福松の序を付し、編集委員が執筆整理にあたって編んだ秩父地方の伝説と方言の集成である。秩父市と秩父郡に伝わる伝説を集め、武甲山麓のジジイ・ババア石、橋立鍾乳洞の悪龍、畠山重忠や坂上田村麻呂にまつわる話、伐ると祟る天狗松などを語り口調で記す。伝説は石・水・塚・屋敷跡・山と人物・地名・社寺および城跡・木に関する八つの部に分け、話によっては他地方の類話を注記する。