鮭川をのぼる鮭の大助の声
どんな伝承か
鮭川はかつて川面が黒くなるほど鮭がのぼる川で、その大将として鮭の大助と呼ばれる大きな鮭がいたという。大助は海から最上川に入り、多くの鮭を率いて鮭川を遡ってくるので、その気配は岸からも分かるほどであった。「へーい、鮭川の大川に、鮭の大助、今通るどごだ」と呼ばわる大助の声を聞いた者は、その年のうちに死んでしまうと昔から言い伝えられている。そのため村人は、大助がのぼって来る夜になると一晩中川端で酒を飲み、囃し立てて祭をし、声が耳に入らぬようにした。そして大助が通り過ぎた刻限を見計らって家に帰り、床についたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。