巻機の神女を負った細矢家の祖
どんな伝承か
南魚沼郡上田荘大木六村の男尻高には平城の古城跡があり、いつの頃か平修理亮実綱が城主であったが、正月十一日に攻められて自害し城は落ちたと伝える。村人は今も落城の日として毎年正月十一日は蔵開きも歌舞音曲も慎むという。村の曹洞宗龍泉院には甲冑姿の実綱の木像があり、嫡孫亀幾丸の作と伝わる。また村の鎮守の神官である細矢家の祖が、夏の日に東北の巻機山へ登ると美女が機を巻いており、自分は汝の村の鎮守になるから背負って下れ、決して顧みるなと言った。中途で背の右を振り返ったため、以来この家に生まれる男子は右目が細いという。神女は村に鎮座して巻機権現と称される。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。