古蓑の下に逃れた地蔵尊
どんな伝承か
大倉の爺と婆が人手がなくて困っていると、小僧が現れて手伝ってくれた。その晩は韮卵などで馳走をしたが、口に合わなかったとみえて、食ったものを吐きながら帰った。その跡を辿ってみると堂に行き当たり、小僧の正体が地蔵と知れたという。小僧が鼻取りの合間に石の上に腰を下ろして休んだので、その田を地蔵免と呼ぶようになった。八十年ばかり前にこの村で大火があった時には、墨染めの衣の僧が家の周りを巡っていて、当家だけが類焼を免れたという。後に落雷で地蔵堂が焼けた時、家の角の石の上に置いた古蓑をのけてみると、木の地蔵尊が下から出てきた。地蔵みずから避難されたのだろうといって、家人はこの石を大事にしている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。