金のへらをくれる産女
どんな伝承か
旧正月の十四日の晩、雪隠に産女が出るという。そのためこの日は雪隠を掃除し、大根に蠟燭をさして燈明をあげ、家の人数分の目を書いた紙を壁に張る。この晩に雪隠へ行くと、産女が金のへらで尻を撫で、赤子を抱いて現れる。そして軽いおぼこと重いおぼこのどちらがよいかと聞く。軽いおぼこと答えると、それを抱かせて姿を消してしまう。だんだん重くなってくる赤子をこらえて抱いていると大力になり、礼に金のへらをくれるという。また、小正月の夕方には便所をていねいに掃除するが、この日に産女が出るといって、子供たちは便所へ行くのをこわがると伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。