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尽きぬ麺醤と木下長者の福厳寺

所在地兵庫県神戸市兵庫区(福厳寺)
年代伝承(口承)
登場木下源太、可禅、異僧を泊めた草鞋作りの夫、竜神に祈った僧
出典日本伝説大系 第8巻

どんな伝承か

昔、兵庫の西に柳の大樹があり、その地を柳原といった。樹の下に木下源太という夫婦が住み、常に普門品を誦して観音を信じ、草鞋を作って暮らしていた。ある年の暮れ、異僧が訪れて一夜の宿を乞う。夫婦は供する食もない年の瀬だからと断ったが、僧は泊まっていった。翌朝、欠けた椀に薺の粥を出すと僧はこれを賞味し、竈の後ろの瓶を巡って経文を唱え、去った。その瓶を開けると中身は麺醤に変わり、近隣が乞うても尽きなかった。夫婦は富み、木下長者と呼ばれた。のち伽藍を建てようと材木を運ぶ船が和田岬で沈んだが、可禅という僧が竜神に祈ると巨大な鼈が浮かんで船を負い上げた。そこで殿塔を建てて尊像を安置し、巨鼈山福厳寺と号した。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。

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