鬼を捕らえた行者と髪切山慈光寺
どんな伝承か
髪切山慈光寺は峠より三町ばかり北にある真言宗の寺で、本尊は役の行者の自作と伝え、右に宝剣、左に法具を持つ。本堂の北には観音堂があり、正観音を安置する。行者がこの地にあったとき、当山の四町の方でこれを感得したといい、今もその地が伝わる。境内には五子塚があり、行者の従者五人の塚であろうという。寺記によれば、行者の母は神が口に入る夢を見て身ごもり、舒明帝六年正月に行者を生んだと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。