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国主淵の竜を突いて三面を得た刑部

所在地和歌山県紀の川市(国主淵)
年代伝承(口承)
登場桜井刑部、橋口隼人、小野村の武家・刑部に役を命じた
出典日本伝説大系 第9巻

どんな伝承か

文禄元年、六月半ばになっても一滴の雨も降らず、貴志川はほとんど川原と化して国主の淵にだけ水が残った。雨乞いも効かず、貴志川十四か村の庄屋が集まり、五百余人と水車百数十挺で淵の水をかい出した。鞍懸岩の下の竜宮の入口を塞ぐものがあると聞き、小野村の橋口隼人が家中の桜井刑部に命じた。刑部が国次の銘刀を持って潜り、横たわる松の大木のようなものを刺すと、それは竜蛇のようにずるずると動いて濁流とともに昇天し、一天かき曇って大嵐となった。刑部は刀を失い、浮き沈みする面のうち鬼・三番叟・翁の三面を取ったが、七日後の六月二十八日に急死したという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。

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