水害で消えた神納川の腰抜田
どんな伝承か
護良親王が熊野へ落ちのびる途中、錦の御旗を五百瀬の庄司に取り上げられた。これを知った村上彦四郎義光は庄司を八間、およそ十五メートルも投げ飛ばし、腰の骨を折らせて錦の旗を取り返したという。人はその投げ飛ばした田を腰抜田と呼んだ。田は神納川にあった三反三畝ほどの広さのものだったが、明治二十三年の水害で埋まってしまい、今は跡形もない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。