蹶速の地を賜った腰折田の由来
どんな伝承か
『大和名所図会』は腰折田を良福寺村にある地として記す。垂仁帝の七年、当麻邑に当麻の蹶速という並ぶ者のない力自慢がいた。角を裂き鉤を伸ばすほどの力で、世に自分に並ぶ者はあるまいと言い放ったという。天皇が対抗できる力人はいるかと問うと、近臣が出雲国の野見宿禰の名を挙げた。そこで倭直の祖である長尾市を勅使として宿禰を召し、蹶速と相撲を取らせた。互いに蹴り合ったすえ、蹶速は脇骨を蹴り折られて命を落とした。勝った賞として蹶速の地は宿禰に与えられ、そこを腰折田と名づけて旧跡を残したと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。