善宝寺の宮に現れた金色の眼
どんな伝承か
年恵たちが八日町へ移ってからのこと、小竹繁井は酒田の人と年恵の三人連れで善宝寺へ参詣した。池の奥の方へ行くと、そこには三つの小さなお宮がある。年恵は二人をお宮の側に待たせ、自分だけ一番奥のお宮へ入ったが、やがてお宮の内部でドタンバタンという大きな音が続いた。ふと気がつくと縁の下から、大きな茶盆ほどの畸形の頭に金色の眼のついた不思議な姿のものが、ちょこちょこと二、三度顔を出した。しばらくして出て来た年恵に話すと、それは神が喜びのあまり姿を見せたのだ、内部で音を立てたのも神が喜んで自分と相撲をとったのだと言った。ただ不思議なことに、繁井にあれほどはっきり見えた姿が、酒田の人には少しも見えなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)