大旗を立てて雨を呼ぶ龍神堂
どんな伝承か
一本柳の万福寺の境内に、小さな龍神堂が祀られている。本尊は庄内の大山町にある善宝寺から分霊したものと伝えられる。この龍神は雨を呼ぶ霊験があるとされ、古くから旱魃のときには氏子一同が斎戒沐浴して神前に神酒を供え、祈祷したうえで、堂前に立つ五丈余尺の大旗竿に吹流しの龍神の大旗を掲げて雨乞いをした。すると三日のうちには必ず沛然と大雨が降ったという。霊験があらたかであったので、日照りが続くと近在の村人たちは遠くからこの大旗が掲げられるのを待ち望んだと伝えられている。
原典より
一本柳の万福寺境内に小さな龍神堂が祀られてあります。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))
『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。