鏡餅を落として団子株となった家
どんな伝承か
鉄山の横山一統は正月に餅を搗かず、代わりに団子を作るので団子株と呼ばれる。もとをたどれば、横山株の先祖は大変な分限者で、正月には小作人が次々と鏡餅を携えて挨拶に訪れた。食べきれないほど集まった鏡餅を子供が玩具にしていたところ、誤って便所へ落としてしまい、それ以来この家の運が傾いた。そこで、正月の餅を搗かないから元どおりにしてほしいと願を掛け、以後、餅を搗かなくなったという。横山宗宰氏の家でも子供のころまで正月三が日は団子で通し、今も神へ団子を供える家があるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。