鼻天狗の面で長者を欺いた横着者
どんな伝承か
小飛島の話。寝てばかりいる横着者の息子が、元日の朝、色紙で作った羽織をまとい鼻天狗の面をかぶって、金持ちの家の窓からのぞき込み、自分は天の将軍だ、娘をあの家へ嫁にやらねば財産が半分になると告げた。それを見た女衆が主人に知らせると、主人のほうから息子に娘をもらってくれと頼みに来る。断ると財産の半分を持たせるというので承知した。寝たまま知恵をめぐらせたこの男は、そうして大金持ちになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。