経龍山の九百九十九個の積み石
どんな伝承か
栢谷の加屋山安立寺に高僧がいて、経龍山に一夜のうちに千個の岩を積み上げ、大きな経塚を築こうと志したという。ところが九百九十九個まで積んだところで鶏が時を告げてしまい、あと一つのところで願はかなわなかった。高僧は寺の宝をその場に埋め、山を去ったと伝わる。残された積み石は、誰が数えてもそのたびに数が合わないという。また正月元日の未明には、そこで金鶏が銀の鈴を振るような声で鳴くと語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。