蛭子神社の八百杉と涸れぬ泉
どんな伝承か
岬町中ノ津の海辺近くに蛭子神社が鎮座する。その南へ十メートルほどの所に、根元から二股に分かれた杉が立ち、八百比丘尼が手ずから植えたことから八百杉と呼ばれる。杉の下には一年を通じて涸れない泉が湧き、伊勢へ参る者は必ず立ち寄って水を汲んだという。海に近いのに水が豊かなためか、近くの田は干ばつの年ほど実りがよく、雨の多い年はかえって出来が悪かったと伝える。八百比丘尼手植えの杉は、玉若酢命神社や水若酢神社、大山神社、焼火神社の境内にもあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。