毒消しの皿を隠されて殺されたお菊
どんな伝承か
播州皿屋敷の話である。戦国の末、青山鉄山は主君小寺則職に取って代わろうと企てた。忠臣の衣笠元信は愛人の菊を鉄山の屋敷へ奉公に上がらせ、内情を探らせる。永正二年三月、則職を毒殺しようと花見の宴が開かれたが、お菊の知らせで企ては破れ、陰謀に加わった者たちは元信の一派に討たれた。裏切りを悟った鉄山は町坪弾四郎に始末を命じ、弾四郎は小寺家重代の毒消しの皿十枚のうち一枚を隠して罪を着せ、お菊を責め殺して井戸へ投げ込んだ。井戸からは皿を数える恨めしい声が聞こえたという。井戸は今も城内に残り、城主はお菊の忠義をたたえて社を建てて祀った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。