餅搗きを手伝った山姥の去った家
どんな伝承か
十二月二十八日の餅搗きの日、貧しい家に奇妙な老婆が入ってきて餅搗きを手伝った。礼に餅を渡すと老婆は喜び、この家は栄えると言い残して去った。その年は予言どおり豊かな実りがあり、翌年の同じ日にも老婆が来て手伝い、以後ずっと続いて家は大いに栄えた。十年ほどして豊かな暮らしに慣れると、老婆の来訪がうるさく思われ、餅搗きを一日早めて二十七日に済ませてしまった。翌日やって来た老婆は、自分はこの先に住む山姥だがこれで終わりだと言って帰り、家はたちまち落ちぶれた。舞の川には山姥がいたという洞穴があり、舞の川やまんばと呼ばれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。