雲辺寺の猫と夢のお告げ
どんな伝承か
名のある山には口にしてはならない言葉がある。箸蔵山では天狗、雲辺寺では猫がそれである。雲辺寺の古い住職は猫を飼っていたが、暮らしに困って好物の鯖を買ってやれなくなり、事情を言い聞かせて山中へ放した。ある夜、猫が住職の夢に現れ、讃岐に重病人が出たので行って拝めと告げる。住職が出向いて祈禱するとすぐに治った。以来、夢のお告げがあるたびに出かけて病人を治したので、寺は前より立派になった。雲辺寺の守りは猫だというわけで、山中では猫が禁句になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。