怪物とえに挑んだ猟師十三人の塚
どんな伝承か
池田町下野呂内の中蓮寺の下の開拓地には、とえという怪物がいたと語られる。中蓮寺の方で大声で鳴くと、棚に置いた唐津物が落ちて割れるほどだった。これを退治しようと、野呂内の者か香川や徳島から集まったのか、猟の名人ばかり十三人が寄った。奥へ攻め込んだが仕留められず、山の経の丸でかわらけに油を灯して経をあげ、陣の丸に陣取った。鉄砲では駄目で弓でなければと、矢竹の竹弓と竹矢で挑んだが、一人また一人と死んでいき、十三の塚が残った。これが十三塚である。最後には名人のくちが弓で射止めたといい、後に流れてきた背骨はひき臼ほどの大きさだったという。塚は西高塔の真下にあたる。
原典より
<柳田——「十三塚」>中蓮寺の下の開拓には、ここにはとえというのがおったんじゃ。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。