浦島山に祀られた竜宮の観音
どんな伝承か
相模の三浦の里に住んだ浦島太郎は、いじめられていた亀を助けた縁で海底の竜宮へ招かれ、乙姫のもてなしに三年を過ごした。別れぎわに授かった本尊と玉手箱を携えて戻り、箱を開けると白髪の老翁になった。三年と思ったのは四百四十七年で、父母はすでに武蔵の白幡の峰に葬られていた。この峰が今の浦島山で、太郎が持ち帰った観音をここに祀ったのが観福寿寺だという。寺は明治元年の神奈川の大火で焼け、焼け残った品は飯田町の慶運寺へ移された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。