燈籠に隠した如来と善光寺普請
どんな伝承か
武田信玄が善光寺の普請をしていた頃、信濃の善光寺から一寸八分の如来を、普請が仕上がるまでという約束で借り受けた。ところがいつまでも返さない。隣国から使者が来るたびに、まだ普請が終わらぬと断り続け、とうとう十年が過ぎた。最後の使者が来たとき、信玄は金仏を燈籠の中に隠しておき、とうに返したはずだが念のため寺の中をよく探せと言った。使者は寺内をくまなく探したが見つけられずに帰国した。それ以来、長引く工事を善光寺普請のようだといい、人の申し出に応じない頑固者を燈籠仏と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。