家康の隠れ湯と呼ばれた西山温泉
どんな伝承か
天正九年の秋、増穂町南明寺の儀存和尚と徳川家康は、連れ立って丸山峠を越えて奈良田にひそみ、西山温泉につかりながら、甲斐の攻略とその後の治め方について密議をこらしたと伝えられている。下部温泉が信玄の隠し湯と呼ばれるのに対し、西山温泉は家康の隠れ湯だといわれるのは、この言い伝えによる。『早川町誌』所収。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。