名を伏せた家の狸和尚の書
どんな伝承か
八王子市のある家に、狸和尚の書が伝わっているという。原典が記すのはこの一行だけで、家の名も、書かれた文字の内容も、いつ渡ったのかも明かされていない。同じ章では、建長寺の和尚に化けていた古狸が村々を回り、泊めてくれた家に掛軸や書を残していったと語られており、この一点もそうした品の一つとして並べられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。