怒鳴りつけて追い払った旭山の送り犬
どんな伝承か
安都那村箕輪新町の北にひろがる原には、昔は山犬が多く、夕方になると人のあとをつけてきて難儀した。これを送り犬と呼ぶ。五十年ほど前、原長沢の輿水左五衛門が新町からの帰りにこれにつかれた。旭山の東まで来たところで犬がしだいに近づいてくるので、うしろを向いて、ばか犬め覚えていろと大声で怒鳴りつけた。すると送り犬は離れていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。