念場原で馬を止めた山犬の群れ
どんな伝承か
原長沢の輿水某という人が、六十年ほど前に馬方をして川上へ通っていたころの話である。念場原にさしかかると山犬がついてきて難儀した。仔馬ほどもある大きなものが五、六匹も従うので、馬も驚いて足を進めない。仕方なく道端の枯草に火をつけて燃やすと、山犬はうしろへ下がった。それを繰り返しながら進み、ようやく家までたどり着いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。