猫地蔵と猫面の碑がある自性院
どんな伝承か
新宿区の自性院には、太田道灌をこの寺へ招いたという猫を供養する猫面の碑があり、あわせて猫に似た地蔵尊も置かれている。宝暦か明和の頃、牛込神楽坂の弥兵衛という寿司屋が地蔵を信仰していた。ある日、見知らぬ猫が迷い込み、飼いはじめると店は日ごとに繁盛した。数年後に猫の姿が見えなくなり、弥兵衛は死んだものとあきらめて自性院の鑑秀和尚に頼み、供養の石地蔵を開眼してもらった。のちに小石川白山のある家の娘が嫁ぐ折に石地蔵を奉納したが、顔が猫に似て三つ口だったため猫地蔵と呼ばれるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。